昔話 むかしむかし 一人の少年がいました 彼は 世界中を 旅していました ずっとずっと 歩いていました 彼と 同じ 仲間が欲しくて―― “神様 教えて下さい 犬も 猫も 鳥さえも 仲間で楽しく 唄ってる でもどうして 僕は一人なの?” 彼は疲れて その場に座り込みました 知らないうちに 知らない水が その疲れた瞳から こぼれ落ちました どうしようもなく 苦しくて その水を 流し続けました やがて 朝日が昇りました 彼は朝日が 嫌いでした “昨日もまた 仲間はいなかった 今日もまた 歩き始めなきゃ” そうして 頭をあげました 瞳には まだ水が残っていました 朝日が照らす 世界を見ました 光が溢れる 世界を見つめました 瞳に残った 水に反射して キラキラ輝く お日さまの光 “驚いた お日さまはこんなにも 綺麗にひかって いたんだね” 不意に口元が 緩みました 彼には 何故だか分かりませんでした だけど それは心地よくて しばらく そうしていました 瞳の水を 拭いました 緑と 青が 視界に溢れます “何で今まで 気づかなかったのか 世界は こんなに綺麗だった……” むかしむかしの 話です 一人の少年が 涙と笑顔を知る話――
![]()
詩 目次へ